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ウムカイス通信1

 ウムカイス通信1
 2004年度からウムカイス遺跡の調査が開始され、私はその調査メンバーとして参加させていただいております。今後現地での遺跡から見える風景、我々の日常生活に関することなどウムカイスに関したことについてブログします。
 
 ウムカイス遺跡は中東ヨルダン・ハシミテ王国(通称ヨルダン)北部でイスラエル、シリアと接する国境の町にあ。。遺跡から望む北にはヤルムーク川後方の眼下にガリラヤ湖を挟み西がテビリヤス(イスラエル)、東がゴラン高原からシリアへと続く大パノラマが映し出される。遺跡はヘレニズムから始まりローマ時代にはガダラと呼ばれたデカ・ポリス(十都市連合)の一都市であった。
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 ガダラについては『新約聖書』マタイによる福音書8-28で「悪霊に取りつかれたガダラ人をいやす」記事がありキリストの教えが伝えられた都市であったことがわかっている。
 遺跡は100年以上以前に発掘調査が開始され、現在もドイツ隊、ヨルダン隊によって実施継続され2004年度からは我々日本の調査団(団長 松本 健 国士舘大学イラク古代文化研究所教授・所長)も発掘調査を開始した。
 規模は東西約1,7キロ、南北約300~500mにわたって城壁のめぐらされた都市遺跡で、内部には大小2個のローマ時代円形劇場、教会、列柱道路、神殿、浴場などの跡が残っている。
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 ヨルダン国内にはぺトラ、ジャラシュ、ウムカイスなどの著名な遺跡が多くあり、世界各地から観光客、研究者など訪れる。しかしウムカイス遺跡については日本人がほとんど訪れないのが現状である。

by yuji_toda | 2008-01-25 16:30 | ウムカイス通信  

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